伝説のCM舞台・美瑛の象徴「ケンとメリーの木」最新撮影ガイド
ケン と メリー の 木は、北海道上川郡美瑛町に広がる美しい丘陵地帯に、ぽつんと一本だけ佇む雄大なポプラの木だ。作物が織りなす幾何学模様が地平線まで広がる「パッチワークの路」において、その息をのむような立ち姿は半世紀以上にわたり、訪れる旅人の心を魅了し続けている。
風が青々とした麦畑を吹き抜けるたび、遠い日の記憶が蘇るような感覚を覚える。昭和の時代に日本中の人々を魅了したケン と メリー の 木は、今なお訪れる者の胸を打ち、静かな感動を与え続けている。
北の大地に聳え立つ一本のポプラと昭和ノスタルジー

広大な美瑛の丘を車で走らせていると、果てしない空の下にひときわ高く聳える1本のポプラが目に飛び込んでくる。周囲の風景と同化しながらも圧倒的な存在感を放つその姿は、北の大地の雄大さを雄弁に物語っている。
この一本木が全国的なスポットとして脚光を浴びた背景には、日本のカルチャー史に刻まれた大きなドラマがあった。四季折々の色彩が織りなすパッチワークの路とともに、今も変わらぬノスタルジーを漂わせている。
伝説のTVCM誕生秘話!スカイラインが駆け抜けた時代

1970年代前半、日本の自動車産業が飛躍的な発展を遂げていた時代。日産自動車株式会社が送り出した4代目スカイライン、通称「日産・スカイライン (C110型)」のテレビコマーシャル (TVCM) が全国で放映された。
CMの主人公として登場したのが、爽やかな若者カップルであるケンとメリー (バズ・ハンゲルマン&ダイアン・クレイ) だ。彼らが愛車とともに美瑛の美しい風景を駆け抜ける映像は、当時の若者たちの間で「自由と冒険」の象徴として瞬く間に大ブームを巻き起こした。さらに、音楽グループのBUZZ (音楽グループ) が歌うテーマ曲『ケンとメリー〜愛と風のように〜』が大ヒットを記録。この楽曲のメロディとともに、木は昭和レトロ文化を語る上で欠かせない聖地となった。
2026年最新の現地撮影ルール!農地を守り絶景を楽しむマナー

2026年現在、美瑛町を訪れる旅行者は国内外を問わず増加の一途をたどっている。それに伴い、貴重な自然環境と地元農家の生活を守るための撮影マナーがこれまで以上に重視されている。
最も重要なルールは、ポプラが立っている土地が「私有の農地」であるという点だ。靴の裏に付着した病原菌による作物への被害を防ぐため、畑への侵入は例外なく固く禁じられている。必ず舗装された道路上から撮影を楽しもう。また、近年利用が増えているドローン撮影についても許可制や飛行禁止区域などの厳格なガイドラインが設けられている。三脚の設置で交通を妨げない配慮も忘れてはならない。
混雑回避ルートと感動を倍増させるベストな撮影ポイント
日中の時間帯は観光バスやレンタカーが集中し、周辺の道路が混雑しやすい。静寂のなかで美しい情景をレンズに収めたいならば、朝もやが漂う早朝5時〜7時、あるいは夕陽が丘を黄金色に染め上げる17時〜19時頃を狙うのがおすすめだ。
混雑をスマートに回避するには、主要な観光ルートである国道237号線からの直接アクセスを避け、西側の町道を迂回してアプローチするルートが効果的だ。木に近づきすぎず、少し離れた丘の上から広角〜中望遠レンズで捉えると、空の広がりと大地のエッジが際立った迫力ある構図が完成する。
自動車産業と観光・旅行産業がつなぐ美瑛の未来
かつて一作のCMから始まったムーブメントは、日本の自動車産業と地域観光・旅行産業が融合した革新的な成功事例となった。単なる移動手段としてのクルマが、旅の情緒やライフスタイルと結びつくことで、地域に半世紀以上続く観光価値をもたらしたのだ。
美瑛町では、この歴史的ランドマークを次の世代へ継承するため、観光客と地域住民が共存できる持続可能な環境づくりに取り組んでいる。ルールを守り、風景を慈しむ旅行者の姿こそが、美しい丘の未来を支えている。
時を超えて輝き続ける風景と訪れる人々がつむぐ物語
移り変わる時代の波のなかで、美瑛の丘に立つポプラは変わらず風を受け止め、季節の移ろいを静かに告げている。昭和の熱気をリアルタイムで知る世代から、SNSでその美しさに魅せられた若い世代まで、訪れる人々の背景は様々だ。
青空と広大な丘が織りなすコントラストの前に佇むとき、誰もが日常の騒々しさを忘れ、流れる雲と風の音に耳を傾ける。この場所が与えてくれるものは、時代を超えた普遍的な癒やしと憧れにほかならない。 (出典: ケン と メリー の 木(Yahoo!ニュース))